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床暖房の基礎知識

残暑も落ち着き、朝晩はずいぶん涼しくなってきました。
季節の移ろいは足早で、秋を過ぎるとまた暖房の必要な季節がやってきます。

家づくりやリフォームの際に、取り入れたい人気の設備のひとつが床暖房です。
しかしひと口に床暖房と言っても、商品や方式の種類は様々。自分のライフスタイルに合った床暖房を選ぶためにも、床暖房の特長や方式の違いを知っておきましょう。

床暖房のしくみ

床暖房とは、床面を加熱してその床表面から放射される遠赤外線の「輻射熱」を利用して部屋全体を暖める仕組みです。輻射熱は部屋の壁や天井、家具などに吸収されますが、それらの熱が再び放射され、室内の空気を均一に暖めます。

エアコンやファンヒーターの場合、床暖房とは違い空気そのものを熱することによって部屋の温度を暖めます。しかしこの暖かい空気は「対流」という性質により比重が軽くなることで天井近くに溜まり、床に近い部分には温度の低い空気が溜まります。そのため頭の方は暖かくても足元は冷たい、というデメリットが生じます。

その点、床暖房は床表面を暖めるので、空気の乾燥やほこりが舞うこともありませんし、石油・ガスストーブのように火も使わないので、お子様やお年寄りのいるお部屋でも安心です。また他の暖房器具のように部屋の中に機器を設置しないため、片付けや設置の手間がないのはもちろん、空間を有効に使えるメリットもあります。

「電気式」と「温水式」

床暖房の方式は電気式と温水式に大きく分けることができます。選ぶ際はそれぞれの特徴を理解し、設備費や月々の燃料費・メンテナンス費などの違いも確認しておくことが大事です。

・電気式床暖房
電気式は、床下に設置したヒーターを内蔵したパネルに電気を通して発熱することで部屋を暖めます。温水式に比べ工事が簡単で設置費も割安なので、リフォーム時に導入しやすい方式といえます。また、基本的なメンテナンスも不要です。ただし導入にあたってはご家庭の電気容量を上げる必要があり、毎月の基本料金はアップするので注意が必要です。また今日の状況では、電力の節約についても考慮する必要があります。
・温水式床暖房
温水式はボイラーで沸かしたお湯を床下の温水パネルに循環させて部屋を暖めます。お湯を沸かす熱源は、石油、ガス、電気などが用いられます。お湯で間接的に暖めるので、電気式と比べて低音やけどの心配も少なく体に負担をかけにくい利点があります。また1台の熱源機で複数の部屋に設置できるため、暖房の同時使用が可能です。しかし、その熱源機の設置や配管工事の費用が高価で、初期費用は割高といえます。

生活スタイルを考えたプランニングを

このように電気式・温水式はそれぞれにメリット、デメリットがあります。では結局何を選べばいいのか?と悩んだ時は、床暖房を設置する面積や部屋数、生活スタイルなどを考えてみましょう。

たとえば1部屋が広い場合や複数の部屋に設置したい場合、また家に比較的誰かが居ることが多いご家庭ならば、維持費の安い温水式が向いているでしょう。逆にリビングや寝室など必要な部分だけに取り入れたい、または朝夜のみなど使用する時間が限られている場合などは電気式が向いていると考えることができます。




さらに床暖房の効率を最大限に生かすには、建物本体の気密性や断熱性を上げることも大きく関わってきます。
床暖房を取り入れる際は、まず家づくりやリフォームをする建物の特徴も踏まえた早めのプランニングを心がけてみてはいかがでしょうか。

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