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「窓」の基礎知識 −基本編−

換気や採光だけでなく、インテリアの一部として、部屋の印象を大きく左右する「窓」。
そんな窓について今回からシリーズで取り上げます。

1回目は、窓の種類とそれぞれの特徴についてご紹介します。

窓の種類

窓は、ガラスとサッシで構成されています。サッシとは、窓の上枠・下枠・縦枠で構成された窓枠の中の框(かまち)と組子のことですが、一般的には窓枠全体を指していることが多いので、通常「窓を選ぶ」という場合は、ガラスとサッシを選ぶということになります。

ガラス

住まいの中で用いられるガラスは、大きく「一般ガラス」と「機能ガラス」の2つに分類できます。

(1)一般ガラス

「フロート板ガラス(透明ガラス・単板ガラス)」や「網入板ガラス」、「型板ガラス」、「すり板ガラス」などのことです。

・フロート板ガラス(透明ガラス・単板ガラス)
一般的な平たい板のガラスのことです。平面が平滑で歪みがなく透視性や採光性に優れています。
・網入板ガラス
ガラスが破損しても破片が飛び散らないように、金属の網が入っています。炎に強いのが特徴で、火災の際の延焼や類焼を防ぐ効果がありますが、防犯目的には向いていません。
・型板ガラス
ガラスの片面に型模様をつけた不透明なガラスです。一般的には「くもりガラス(不透明ガラス)」と呼ばれるものが有名です。光を通しながら視線を遮るガラスなので、部屋の間仕切り、近隣や道路からの視線が気になる浴室や洗面、トイレなどで用いられます。
(2)機能ガラス

「複層ガラス」、「強化ガラス」や「合わせガラス」など、機能性が高まったガラスを指します。特に「複層ガラス」は、「高断熱複層ガラス」「遮熱複層ガラス」などさまざまなタイプがあり、年々性能が高まっています。メーカーからは様々な商品名で提案されているので、具体的な性能をしっかりと確認することが大切です。

・複層ガラス
スペーサーと呼ばれる部材で、2枚または3枚の板ガラスの間に中空層を持たせ、乾燥した空気層を挟み込むことで断熱性を高めたガラスです。結露が付きにくく、また冷暖房の消費を抑えることができるので省エネ効果もあります。
・高断熱複層ガラス
ガラスの間に、乾燥した空気の層を封入、室内側に高断熱タイプのLow-E[Low‐Emissivity(低放射)]ガラスを用いたガラスです。低放射複層ガラスと呼ばれることもあります。
太陽の熱を取り入れつつ暖房エネルギーを逃がさないため、断熱性、保温性に優れています。寒さが厳しいエリアに向いています。
・遮熱複層ガラス
ガラスの間に、乾燥した空気の層を封入、室外側のガラスに遮熱タイプのLow-Eガラスを使用したガラスです。遮熱低放射複層ガラスと呼ばれることもあります。
夏場の直射日光を遮るとともに、冬場は室内の暖房熱を反射して逃がさないため、冷暖房の負荷を抑えられます。夏は涼しく、冬も暖かいという性能を持つガラスのため、西日のあたる部屋などにも向いています。
(3)その他
・強化ガラス(安全ガラス)
普通のガラスに比べて、耐風圧強度のあるガラスで、透明タイプと半透明タイプがあります。「フロート板ガラス」を高熱処理した上で急激に冷やして作られており、熱にも強く、割れても破片は顆粒状になるので大ケガとなる心配がありません。そのため「安全ガラス」とも呼ばれています。
「強化ガラス」は、窓だけでなく、ガラス入りの玄関ドア、室内扉や収納扉、テーブルトップなどでも用いられています。
・合わせガラス (防犯ガラス・防災ガラス・防音ガラス)
2枚以上の「フロート板ガラス」の間に、柔軟で強靭なフィルムの中間膜をはさんで加熱・圧着させたガラスです。風圧に強く、中間膜の効果で割れても飛び散ることがほとんどないのが特徴です。中間膜の厚さや性能に工夫を持たせることで、さまざまな特徴を持つ製品もあります。
 ・防犯ガラス
  厚く強靭な中間膜をガラスに施すことで、突き破るのに時間がかかり防犯性に優れています。
 ・防災ガラス
  特殊な中間膜が施されており、防災対策に効果を発揮します。
 ・防音ガラス
  遮音効果のある中間膜がガラスに用いられており、防音性能が高いガラスです。
サッシ
(1)アルミ

強度もあり、耐候性や防火性に優れた素材です。軽量なので、開けたり閉めたりする時に操作がしやすいのも特徴です。しかし、熱伝導率が高いので断熱性にやや劣るのが短所です。腐食しにくくサビにも強い素材ですが、長期間埃などが付着していると腐食することもあるのでこまめに掃除しましょう。

(2)樹脂

主な材料は、塩化ビニール樹脂です。熱伝導率が低く、断熱性に優れる材質です。複層ガラスとの組み合わせによって高い断熱性を得ることができるので、北海道や東北地方などの寒冷地での使用が多いのが特徴です。一般的にアルミよりも強度が弱いので、厚みのある構造になっています。価格はアルミより高めです。

(3)木

質感や風合いが魅力の木製サッシですが、腐食や磨耗などの耐久性にやや劣るのは否めません。無垢材だけを用いたもの、集成材・積層材を用いたもの、それらを組み合わせたものなどもあり、それぞれ、木製サッシの短所である、経年による塗装の劣化や腐食、木の狂いなどを克服するための工夫がなされています。木材を充分に乾燥させたり、特殊な構造で気密性などを高めた製品も出てきています。

(4)複合サッシ

最近、種類も増えてきたのが異なる素材を組み合わせたサッシです。室外側にアルミ、室内側に樹脂や木を組み合わせるなどしたものがあります。各メーカーからそれぞれの素材の特徴を活かした製品が出ています。

開閉方法・形状の種類
(1)横引き窓

最も一般的で馴染み深い開閉方法の窓です。掃き出し窓や腰高窓、出窓などさまざまなタイプで用いられています。左右どちらからも開けられる引き違い、中心から左右に開ける引き分け、一方だけの片引きタイプなどがあります。
最近では、下枠のレールに工夫を施し、室内からベランダ・バルコニー・デッキなどとのつながりをスムーズにした掃き出し窓やフィックス窓と組み合わせたタイプなどもあります。

(2)ルーバー窓

水平に重なった複数の細長いガラス板のルーバーを、ハンドル操作で開閉する窓のことです。洗面室やキッチン、納戸など通風・換気が必要な場所に用いられます。気密性能や防犯性能は低いため、設置する場所には配慮が必要となります。

(3)上げ下げ窓

2枚の窓を窓枠に沿って上下にスライドさせて開閉するタイプのことです。北米や北欧などで親しまれているタイプです。開閉が壁の厚みの中で収まるので場所をとらず気密性も高いです。

(4)フィックス窓

開閉できないガラス窓のことです。はめ殺し窓とも呼ばれ、採光が主な目的の場合に用います。丸型や正方形、長方形など様々な形状の商品があり、異なる形状の窓と組み合わせる例も多くみられます。開閉できないので、設置する際は掃除方法に配慮しておく必要があります。

(5)出窓

窓の開口部を外に突き出したタイプの窓です。長方形や多角形、弓形などさまざまなデザインがあります。室内側を広く使え、腰より上のタイプであれば収納や飾り棚としても活用できるので、リビングやダイニングに適しているといえます。

(6)滑り出し窓

窓枠の左右の溝に沿って動くタイプが横滑り出し窓です。ガラス部分が庇のようになり、雨が吹き込まず通風を確保できます。上下の溝に沿って横に滑り出すタイプが縦滑り出し窓です。 防犯対策として、一定の角度以上に開かないようにストッパーが付いているタイプもあります。

(7)内倒し窓

窓の下を軸に、部屋の内側に倒すタイプの窓です。水まわりの天井近くや手の届きにくい場所に用いられることが多いです。一定の角度以上に開かないようにストッパーが付いているタイプもあります。

(8)オーニング窓

上下に並んだ複数の窓ガラスが同時に開閉するタイプの窓です。角度を変えることで、通風を調節できます。

(9)開き窓(外開き窓)

欧米でよく用いられる窓で、左右どちらかを軸に開閉するタイプです。外開きが一般的で、1枚の片開き、2枚の両開きなどがあります。住宅のデザインに合わせて、窓枠をカラフルな色に塗装したものもあります。

(10)回転窓

戸の中央を回転軸としており、縦軸回転、もしくは横軸回転のタイプがあります。気密性が高く、掃除もしやすいのが特徴です。雨戸が取り付けにくいという難点があります。

(11)押し出し窓

外に向かって押し出すように開放する窓のことです。窓枠に対して垂直に押し出すタイプや外に向かって庇のように開くタイプがあります。

(12)全開口型の折りたたみ窓

折れ戸のような窓で、開口部を大きく開くことができます。リビングとデッキ・テラスなどのアウトドアスペースを一体化させたい時に用いると良いでしょう。両側にたためるものを両折れタイプといいます。雨戸が取り付けにくいという難点があります。

(13)トップライト

天窓やルーフ窓とも呼ばれる屋根に取り付けられた窓のことで、同じ大きさの一般の窓と比べて3倍の採光が得られるとされています。北や東に設置すると効果的ですが、南に設置した時は夏場の強い日差しへの対策が必要です。固定式と開閉式に分かれ、開閉式には、手動タイプと電動タイプがあります。雨センサーや熱センサーによって自動開閉するタイプもあります。

様々な窓

(1)デザインウィンドウ(装飾窓)

丸や四角の小さめの窓、細長い窓、またそれらをいくつか組み合わせた窓のことです。アクセント窓とも呼ばれます。窓を連続させたり、複数の窓を用いることで、個性的な光を取り入れ演出したり、特徴ある外観デザインを作り出すことができます。

(2)ハイサイドライト

目の高さより上の、天井近くに設けられた窓のことです。高窓採光とも呼ばれます。

(3)ピクチャーウィンドウ

自分の好きな景色を枠で囲うように設けられた窓のことです。眺めることを主な目的としています。

(4)コーナー窓

部屋のコーナー部分に設ける窓のことです。二方窓とも呼ばれ、空間に広がりが生まれます。

窓を選ぶ際の注意点

断熱性や気密性、防犯性などの機能面はもちろん、外観全体のデザインやインテリアとの調和も忘れずに検討する必要があります。また、網戸や雨戸、どんな窓装飾(カーテンやブラインドなど)を設置したいのかも同時に考えておくことが大切です。




窓は、ガラスやサッシだけでもたくさん種類や特徴があります。自分の家に向いているもの、合っているものをいろいろ検討しながら選ぶことが大切です。

次回は、窓の配置・設置をテーマに取り上げます。

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