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「窓」の基礎知識 −中級編−

前回は基本編と題して、窓の種類や特徴について取り上げました。
今回は、窓を快適に設置する方法について、「外観」「換気」「採光」の3点から紹介します。

外観 〜窓を配置する工夫〜

窓の配置を考えるときのポイントは、「上・下・縦・横」の組み合わせです。「上・下」は、窓を取り付ける位置が上か下かということで、「縦・横」は、窓の形が縦長か横長かということです。これを上手く組み合わせることで、メリハリのある窓を作ることができます。
窓の取り付け位置は、外観のデザインを大きく左右します。窓の位置を内装の都合だけで考えてしまうと、外から見たときに窓がバラバラに見えて、デザインが台無しになってしまうこともあります。すっきりと見せるためには、窓の上端の位置を揃えるといいでしょう。
また、1階の小さな窓には、面格子を付けると防犯に役立ちます。ただし、面格子のデザインは、外観の印象を大きく左右しますので、注意して選びましょう。

・ハイサイドライト(窓の取り付け位置:上)
部屋の天井近くに設置する横長の窓のことです。プライバシーが守れる上、均等な光が部屋の奥まで入ってきます。FIX窓や引き違い窓を使うことができるので、天窓に比べてコストが掛からないのが利点です。
・ローサイドライト(窓の取り付け位置:下)
床の近くに設置する横長の窓のことです。プライバシーが守れる点はハイサイドライトと同じですが、日光は部屋の奥までは入りません。和室や廊下の窓に使うと効果的です。特に和室などに使うと、重心の低い落着いた空間を作ることができます。
・天窓(窓の取り付け位置:上)
採光を考える上で、最も効率のいい設置場所です。プライバシーを気にする必要はありませんが、掃除に手間が掛かる、採光のコントロールが難しい、コストが高めという難点もあります。
・縦長窓(窓の形:縦長)
外から見える範囲が狭くなり、プライバシーの保護にもなります。引き違い窓を設けるよりも採光の量は多くなる上、縦のラインが強調されるため部屋をすっきり見せる効果があります。
・横長窓(窓の形:横長)
南側にハイサイドライトで設置すると、一日中安定した光が入ります。高い位置の窓はFIX窓にすることが多いですが、一部を開けられるようにすると、天井付近の熱い空気が抜けてくれます。
・出窓(窓の形:横長)
狭い敷地の家に出窓を設置すると広さを感じることができます。出窓の面積は「延床面積」に入らないため、狭い敷地に家を建てる際は出窓の設置を検討してはいかがでしょうか。

換気 〜風を取り入れる工夫〜

窓から風が入るためには、3つの条件がポイントになります。
これらの条件を満たすと、家の中にいい風が通ります。冬場のすきま風、春一番の突風等の不快な風や、暖冷房効率を下げる風をシャットアウトして質のいい風を取り込むことが、窓を快適な位置に設置する上で大切なポイントです。

(1)窓が2面以上あり一直線に対面していること
風通しをよくするためには、窓を2カ所以上設ける必要があります。窓と窓を一直線に対面させ、風の入口と出口を作ります。窓の大きさが同じである必要はありません。
この他に、部屋の高さを利用して風を抜く方法や吹抜けを使った換気法もあります。
適切な位置に窓があっても、窓の開け方で風通しは変わります。また、気圧の関係でも風の流れが変化する場合もあります。
(2)必要な時は常に開けておけること
通風に適しているのは「ガラスルーバー窓」や「上げ下げ窓」、「内倒し窓」などです。これらは在宅時には常に開けておくことに適した窓であり、風量のコントロールがしやすいです。
・ガラスルーバー窓
ガラス板の角度によって、風通し(換気)の量を微妙にコントロールすることができます。ただし、あまり強い雨が吹き付ける所では、雨漏りすることがあります。1階に使うときは、面格子を付けると防犯性が上がります。
・上げ下げ窓
上下に窓が開くことで、空気の対流ができます。上の開口から空気が出ていき、下の開口から外気が入ってきます。上げ下げ窓は西洋の石造りの建物によく見られます。石造りは構造上幅の広い窓を作れないため、縦長の窓が発達しました。
・内倒し窓
ハイサイドライトに設置します。内側に窓が倒れる仕組みで、高い場所でも開け閉めできるよう、遠隔操作ができます。
(3)風向きを考慮すること(主風方向を確認する)
主風方向とは、天候に関わらず常に一定の方向から吹く風の方向です。例えば夏は南風、冬は北風などです。海辺の家では、海からの風と山からの風が一日の中で切り替わります。
それぞれの土地には、固有の主風方向があり、季節や一日のなかで定期的に変化します。これを観察することで、最適な窓の配置が計算できるのです。
上手く風の方向をつかむことで、小さな窓でも効果的な通風が得られます。一方で主風方向を考えずに窓を作ってしまうと、冬の寒い風に悩まされることもあるので注意が必要です。

採光 〜光を取り入れる工夫〜

採光は、窓の高さと位置、面積がポイントになります。

(1)窓の高さと位置
現在の掃き出し窓の高さは、2m〜2.4mが主流ですが、古い一戸建てでは1.8mであることが多く、腰窓と呼ばれる小さな窓も、掃き出し窓と上端を合わせて取り付けられています。
リビングが南向きなのに薄暗いのは、この窓の高さに問題があることが多いのです。窓の高さを上げる程、部屋の奥まで太陽の光が届くようになり、部屋全体が明るくなります。
窓のサッシ全部を交換しなくても、今あるサッシの上にランマ窓を取り付けるリフォームをするだけでも部屋は明るくなります。
(2)面積
縦長の窓は、部屋の奥まで光が届きますが、照射の幅が狭いのが欠点です。キッチンのように狭い部屋ならば縦長の窓が1箇所でも明るくなりますが、広いリビング等では部屋全体を明るくすることはできません。
しかし、同じ面積の窓でも、2つに分割して両側の壁に光を当てて反射させることで、部屋を明るくすることができます。窓を設置する際には、どこをどんな風に明るくしたいのかをよく考えてプランニングすることが必要です。



窓を設置する時には、周囲の環境や窓の高さや向きも踏まえて検討することが必要ですね。

次回は、内窓を付けることで得られる効果について取り上げます。

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