家にかかわる疑問のあれこれを分かりやすくお話します。  
 

自然のちからで快適な夏

暑さが厳しい日本の夏。暑いからとエアコンの効きすぎた部屋に長時間いるのは体調を崩す原因になります。
素肌に心地よい自然素材を利用し、五感に気持ちのいい暮らしを3つのポイントからご提案します。

風合いと手触りを楽しめる自然素材をとりいれる

住宅でいう自然素材とは、土や石、植物など原料が天然の内装材や外装材のことで、風合いの良さ、手触りの良さが大きな魅力です。
合板やビニルクロスなどの新建材と比べて傷や汚れがつきやすいという弱点もありますが、それら新建材と違い、傷や汚れも見方によっては味になるのが特徴です。

・足に心地いい無垢材のフローリング
床材の自然素材で代表的なのは、無垢材のフローリングです。
無垢材には柔らかめで薄い色の針葉樹系と硬めで濃い色の広葉樹系があります。
無垢材は空気を多く含むため、保湿性や断熱性に富んでいるほか、室内が湿っているときは湿気を吸い、乾燥時は放出する調湿作用もあります。夏でもべたつかずにサラッとして、冬はじんわり暖かく感じられ素足の感触が心地よいのはそのためです。
・日本の風土に適した珪藻土や漆喰
古くから用いられている珪藻土や漆喰などの塗り壁は日本の風土に適しています。
珪藻土は植物性プランクトンの死骸が化石化して堆積したもの、漆喰は消石灰が主成分の塗り壁です。一般に調湿性や断熱性、消臭性、防音・防火性に優れていると言われています。
とくに優れた調湿効果で結露を抑え、カビやダニの発生を防ぐほか、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着しタバコやペットのニオイなども吸着・分解してくれる働きがあります。
・森の木々を有効利用した壁紙「オガファーザー」
オガファーザーは、木材の製材時に発生するウッドチップと新聞の再生紙から作られている天然素材の壁紙です。
塗装下地用の壁紙なので、何度も塗装を繰り返すことができメンテナンス性に優れています。ヨーロッパの住宅やホテルには、180年以上も前から採用されており、歴史的にもその有用性が実証されています。
デザイン的にも間接照明との相性がぴったりで、ウッドチップがほどよい陰影をつくり、ぬくもりのある壁の演出が可能です。
・火山灰を利用したシラス壁
シラス(白砂、白州)は約2万5千年前の火山の噴火で噴出したマグマが冷えかたまったもので、火山灰シラス壁が漆喰・珪藻土と並ぶ自然素材で出来た内外装壁材として利用されるようになったのは最近のことです。
特徴として、空気清浄効果と調湿効果があります。
シラスの粒子には非常に多くの凹凸があり、湿度によって水分を吸収・放出し、湿度を一定に保ってくれます。
・ドイツの自然素材の塗料「リボス/オスモカラー」
両メーカーとも環境に対する意識の高い、ドイツの生まれの自然塗料です。
オスモは、自然素材の塗料と言えばオスモ、というくらいに住宅業界でも定着した感があります。
リボスは近年、建築・建材・家具などの人々の暮らしに密接する環境で使用される安全な塗料として、注目されています。

外からの熱をシャットアウトする

一般的に窓などの開口部から室内へ侵入してくる熱は、全体の70%を超えると言われています。
すなわち、窓から熱を入れないことが一番の暑さ対策になります。夏に家で快適に過ごすには、まず、日差し(日射熱)をカットすることが重要です。
軒を深くしたり、窓に庇やルーバー、オーニングなどを取り付けたりして、室内に日差しが入り込むのを防ぎましょう。よしずや緑のカーテンでも日差しを遮ることができます。
このとき同時に考えなければいけないのが断熱です。日差しを遮る工夫と併せて、床、壁、天井に十分な断熱処理を施し、窓も断熱サッシや複層ガラスにするなどして、戸外の熱気が室内に入り込み、室内に熱がこもってしまうのを防ぎましょう。
また断熱材は照り返し熱を防ぐ効果と、気密性・断熱性を上げます。他にも窓やカーテンにこもる照り返し熱を防ぐ方法として、遮熱フィルムや遮熱カーテンを使用するのも有効です。

風の通り道を考え、涼を呼び込む

夏の盛りにエアコンを使わずに生活するのはなかなか難しいですし、無理をすると体調を崩しかねません。それでも、朝晩など涼しい風が吹いているときには窓を開け、自然の風の気持ち良さを味わいたいものです。
エアコンに頼りきりにならないためにも、家の中に風を呼び込む工夫をしましょう。風通しをよくするには、風の入り口と出口を確保することが重要です。
風がどこから入ってどこへ抜けていくのか通り道を考え、窓を設けたり、通り道をふさぐ仕切り(壁)をなくすような間取りにしましょう。
壁を取り払って大きな空間を作ると風が流れやすくなります。最近人気のリフォームです。建具も、ドアではなく引き戸を選ぶと開け放せるので風通しを確保できます。
また、「暖かい空気は軽く、上へ逃げる」「冷たい空気は重く、下に溜まる」という性質を利用し、シーリングファンを取り付けたりサーキュレーターを設置して室内に上下の空気の流れを起こすのも効果的です。
上昇した熱気を外に逃がすためには高窓や天窓を設けるのもよいでしょう。風があると、人は実際の温度よりも涼しく感じるものです。




その他にも自然の力を利用した「夏過ごしやすくする」ための暮らしの知恵として、籐の足元マット、リネンなどの天然素材のシーツを利用するのもおすすめです。
色も白や青など涼感のあるものにするとより一層涼やかになるでしょう。また、換気扇やエアコンの掃除をこまめに行うことで電気代を節約することもできます。
自然のちからで消臭効果や結露の減少など、家を永く健康に保つ自然素材にぜひ注目してみてください。

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