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壁いろいろ 前編「内壁」

今回から3回に分け、内壁、外壁それぞれの種類や選び方、壁の掃除方法についてご紹介します。

1回目は内壁についてです。

内壁の種類

床・壁・天井といった内装材は、インテリアを決める大切な要素であると同時に、素材の持つ機能や性能によって、日々の快適さにも大きな影響を及ぼす部分です。
特に壁材は、壁紙メーカーや内装建材メーカーなどから、豊富なデザインやさまざまな機能を持つ商品が提案されています。
一般的な住宅で主に使用される内壁材は、壁紙、塗壁、木、タイルなどがあげられます。

(1) 壁紙

現在、住宅の居室空間で最も多く使われているのが壁紙です。素材によって、ビニールクロスや紙クロス、織物などに分類できます。

・ビニールクロス
塩化ビニール樹脂などを主な素材とするビニールシートに紙などを裏打ちしたものです。比較的安い上、色やデザインのバリエーションも豊富です。耐久性や清掃性に優れ、施工がしやすいのも特徴です。
最近では、自分で取りつけることのできる商品もたくさん出ています。
・紙クロス
パルプが原料の洋紙を原紙にプリント加工やエンボス加工を施したものです。欧米では多く用いられる素材で、輸入住宅などに取り入れているケースもあります。
「こうぞ」や「みつまた」を原料とした和紙、月桃の茎から繊維を取り出しパルプにした月桃紙、一年草のケナフを原料としたものなどもあります。
・織物クロス
平織りや綾織、不織布などがあり、温かみのあるテクスチャーや重厚感が魅力ですが、価格は比較的高めです。
(2) 塗壁

さまざまな仕上げや工法がありますが、日本の気候・風土にも適応しており、一般的に調湿性・断熱性・防火性・防音性などに優れているといわれています。

・土もの、土壁
いわゆる土もの、土壁と呼ばれるものは、数奇屋建築や茶室にみられます。「京壁」とも言われ、上塗りの土によって、「聚楽壁」「錆壁」など種類があります。
・珪藻土
海や湖などに生息していた単細胞の植物プランクトンの死骸が堆積して出来た土層から採取されるものです。多孔質であることから、吸湿性、吸放質性、保温性、断熱性に優れる素材です。地球環境に配慮したものとして人気の素材となっています。石膏ボードに直接塗り付けられる商品やビニールクロスの上に塗ることができるリフォーム向けの商品、炭を配合したものなどもあります。
・漆喰壁
消石灰に砂と糊などを混ぜて土壁の上に塗るもので、日本独自の塗壁仕上になります。耐久性、調湿性・ 断熱性・防火性などに優れています。通常の塗装やクロス感覚で施工できる商品もあります。
・プラスター
石灰を基材にしたものです。石膏プラスターや鉱物質の粉末と水を混ぜたドロマイトプラスター塗りなどがあります。石膏プラスターに珪藻土と配合した商品も出ています。
・繊維壁
パルプや紙繊維、化学繊維などをのりで混ぜて水で練ったものです。
・その他
調湿機能を持つ火山灰を主成分にしたもの、耐水性能を持つタイプなどもあります。
(3) 木製

木質系の製品としての壁材は、天然木化粧合板、合成樹脂合板、プリント合板などがあります。
木質系の壁材は、1つの面に用いて部屋のアクセントとしたり、腰壁として取り入れることもあります。建材メーカーからは、腰壁材もしくは腰壁パネルなどの名称で提案されています。

(4) タイル

耐久性や耐水性に優れるため、主に水まわりに用いられる素材ですが、最近では居室の床や壁材などで取り入れられるケースもあります。特に、消臭や調湿機能のある素材は、リビングやダイニング、ベッドルームなどで用いるとよいでしょう。テクスチャーやデザインのバリエーションも増え、室内の空気を心地よくするとともに、壁面を個性的に仕上げることができます。

(5) パネル

基材に特殊な加工を施したり珪藻土などを混ぜることで、調湿機能や消臭機能を持たせた製品です。湿気の気になる納戸やクローゼット、洗面室などに用いてもよいでしょう。
また、キッチンや洗面室などに向いているのが、汚れがこびりつきにくく、汚れても落ちやすい加工が施されたパネル状の壁材です。タイル調のものや石目調のものなど色柄も豊富になり、キッチンプランの標準仕様となっているケースも多くなっています。

内壁の選び方

○選ぶ際は、用いる空間に適したものを

内壁にはさまざまな特徴を持つ製品があるので、用いる空間に適した素材やデザイン、機能を持つ内壁材を選ぶことが大切です。
リビングやベッドルームには温かみのある風合いの素材を、幼いお子さまの部屋には汚れが落としやすいものを、トイレや洗面室であれば、清潔感のある耐水性のあるものがいいでしょう。
内壁材は、空間の中でも大きな面積を占めるので、床材や天井材、家具やファブリック、照明プランなどとのデザイン的な調和を考えながら選ぶことが大切です。壁材そのものに個性を持たせる方法もありますが、リビングやダイニングであれば、比較的抑えめのタイプを選んだ方が空間が広く感じられ、家具やカーテンなどでコーディネートを楽しむことができるでしょう。

○壁紙の品質規定について

壁紙には、品質保証、健康、環境保護に配慮した原料使用などの規定があります。カタログ等で検討する際に確認してください。

■JIS(日本工業規格)
JISマーク表示品については、シックハウス対策に対応し、ホルムアルデヒド放散量の規定値を0.2mg/L以下、ホルムアルデヒド放散量の性能区分は「F☆☆☆☆等級」と表示されます。
■SVマーク
「壁紙工業会」が制定した壁紙安全品質基準。消費者が安心して使用できる壁紙を提供することを目的として制定した自主規格です。
■ISM(インテリア・セーフティ・マテリアル  略称 イズム)
日本壁装協会によって定められた自主基準。「化学物質の発散を最小限に抑え、安全な室内空気環境、健康的な生活環境の提供」を目的としています。
■エコマーク
環境保全を目的とした商品につけられる推奨マーク。再生材料を使用したもの、有害化学物質の使用を抑制したものなど、環境配慮への総合的な評価から認定されます。
■非木材グリーンマーク
非木材グリーン協会(NPO法人)が認定しているマーク。地球環境保全に心がけ、非木材パルプを使用した紙や紙製品、加工品につけられるものです。



このように内壁は、様々な特徴を持たせた商品が数多く提案されています。
選ぶ際にはショールームで実物を確認し、デザインや性能を比較・検討してお宅やお部屋に一番合ったものを選ぶようにしましょう。

次回は外壁について取り上げます。

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