家にかかわる疑問のあれこれを分かりやすくお話します。  
 

住まいの空気質

近ごろ、毎年春先になると花粉症とPM2.5が話題となります。特にPM2.5は目には見えないほど小さい粒子のため、外に出る際はマスクをして自衛するしかないのが現状です。
ではお家の中ではどう防いだら良いのでしょうか。
今回は、お家の中の空気質を改善して、花粉やPM2.5から守る方法について取り上げます。

換気とは

まず、空気の質を良くするには、家の中の「換気」を整える必要があります。
空気の質を決める要素は「温度・湿度・清潔さ」の3つです。

(1)温度
・室内の温度差をできる限り少なくする。
・1日の温度変化を少なくする。
(2)湿度
・快適の鍵を握る湿度は、高すぎても低すぎてもだめ。
・過ごしやすい湿度は45〜60%。
(3)清潔さ
・集塵・除菌・空気の質を向上する。

換気とは、部屋の中の汚れた空気と新鮮な外気を入れ替えることです。屋外の空気を取り入れ(給気)、屋内の空気を追い出す(排気)ことをさします。
換気の方法には自然の風を取り入れる「自然換気」と換気ファン等の機械によって換気を行う「機械換気」に分かれます。今回は「機械換気」について紹介します。

機械換気の種類

機械換気は、給排気の両方か、いずれか一方に換気ファンが必要になりますが、その仕組みによって、第1種、第2種、第3種に分けることができます。

(1)第1種換気
給排気ともに換気ファンを用いて、強制的に行う換気方法です。給排気量を確実に確保するには適しています。空気の流れを制御しやすいので、気密性の高い建物に適しており、一戸建て住宅ではよく取り入れられている方法です。
(2)第2種換気
給気は換気ファンで、排気は排気口から自然に行う換気方法です。換気ファンで強制的に給気し、押し込まれた空気によって室内にある空気が排気口から自然に排出されます。これを「押込み換気」または「押込み方式」と呼ぶこともあります。工場等で塵や埃を取り除き外気を入れにくくするクリーンルームで用いられることが多く、一般住宅ではあまり見られません。
(3)第3種換気
排気は換気ファンで強制的に、給気に換気口(自然給気)を用いる換気方法です。「吸出し換気」とも呼ばれています。排気が機械換気なので、湿気が壁内へ侵入しにくいというメリットもあります。トイレやキッチン等の臭気や熱気、汚れた空気が発生する場所に排気ファンを設置し、給気は個室や寝室などの新鮮な空気を必要とする場所に設けます。住宅の気密性能によって、給気量が変化することもあります。こちらも第1種換気と同様、一戸建て住宅によく取り入れられています。

24時間空気の質を守る「全館空調システム」とは

(1)24時間換気システムとシックハウス症候群との関連
24時間換気システムは、元々はシックハウス症候群の対策として、2003年の7月の建築基準法の改正により義務化されました。シックハウス症候群とは、住宅に使用される建材などに含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質が人体に悪影響を及ぼす症状のことです。この化学物質が室内の空気に漏れ出し、住んでいる人に頭痛や吐き気を及ぼしてしまうため、強制的に室内の空気の入れ替えを行う24時間換気システムの義務化が設けられたのです。
(2)全館空調システムの仕組み
24時間空気の質を守る上で、先程挙げた「第1種換気」は、給気・排気ともに機械で行うため最も安定した換気を行うことができます。この「第1種換気」に、空気を外から取り入れる給気部分にフィルターを付けて室内に入り込む物質を除去できる仕組みを組み合わせたものが全館空調システムです。

フィルターには次の3つがあげられます。

・プレフィルター
外から万が一大きなゴミや虫を給気した場合、ここで捕集して、繊細なフィルターが破損しないようにくい止める機能があります。

・除塵フィルター
30〜35umの粒子を95%カットすることができます。捕集したアレルギー物質の作用を抑制する機能もあります。さらに、外部から室内への菌・カビの侵入、フィルターでの繁殖を防ぎます。

・NO2フィルター
車の排気ガス臭やNO2ガスなどを80%除去します。
(3)メリットとデメリット
・メリット
給気部分にフィルターを付けることで、花粉や化学物質、病原菌等を取り除くことができるので、家の中でも花粉症やPM2.5から身を守ることができ、いつでも室内は新鮮できれいな空気になります。さらに湿度のコントロールもできますので、1年中快適に過ごすことが可能となります。
また、全館空調システムにより室内の温度差が少なくなるため、高齢者に多いヒートショック現象が起こりにくくなります。

・デメリット
全館空調システムを導入する前に、建物全体の気密・断熱性能が高くなければ、室内の空気環境の根本的な改善には繋がりません。また、全館空調システムに湿度管理機能が付いていない場合、空気が乾燥しすぎてしまうということもあり得ます。その場合、加湿器を置く等の別の対策を施す必要が出てきます。今住んでいる家に導入できるのかどうかをよく検討した上で設置することが大切です。



24時間空気を換気し続けてくれるだけでなく、湿度管理やヒートショック現象を防ぐ効果も全館空調システム。
これから家を建てる、もしくはリフォームを考える際は、検討してみてはいかがでしょうか。

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