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中庭のススメ

−中庭のススメ−コートハウスで光溢れる家に−

「庭は家の周りにあるもの」というイメージってありますよね。
でも、最近は中庭という形で、家の中に庭を設けている家「コートハウス」が増えているそうです。
今回は中庭とそれを活かした家であるコートハウスについて取り上げます。

コートハウスとは

密集した住宅地で、プライバシーを守りながら広々とした中庭と明るい採光がとれる家のことです。
元々ギリシャやイスラム圏諸国、そしてヨーロッパ各国で発展してきたコートハウスは、道路側に高い壁を立て、その内側に中庭と家を配置する形が一般的です。外に面した家の窓は極力小さくして、中庭に面した窓を大きくしています。
外観は当然そそり立ったような壁となり、古くは侵略者から家を守る役割を果たしました。中庭は外部というより部屋の一室と考えられ、天気のよい日は家事や食事を取る場になりました。

日本で取り入れるためのアイデア

(1)水はけを良くし、部屋と一体感を持たせる。
中庭に室内の床と同じ高さになるようデッキスペースを設けることで、部屋と一体感を持たせられます。ただ、湿気の多い日本では、中庭に降った雨がなかなか乾きません。水たまりができてしまうと虫が湧く、苔が生えるので、地面にコンクリートを打ってからスノコ状の木製デッキを作り、排水口から雨水を下水へ流すようにする等、水がたまらない工夫をするとよいでしょう。
(2)四季に合わせた光の調整
中庭は建物の中心部に設けられることが多いため、室内全体に光を取り入れやすくなります。ただ、日本には四季があるので、四季それぞれに合った調整をする必要があります。

 <例>
 夏の強い日差し→南側の窓に庇等で日陰をつくると日差しを遮ることができる
 冬の暖かな日差し→遮らないように、庇を設ける時は長さを十分に持たせる

(3)風の通り道を確保
せっかく中庭から風を取り入れても、出口がないと風は家の中を通り抜けられません。建物内に風の流れを作るためには、水平方向と垂直方向の立体的な計画が大切です。部屋の適所に窓を設け、吹抜けやトップライト等を上手に配置するとよいでしょう。
(4)植物の配置
植物を配置する際は、敷地の特性を踏まえて計画を立てましょう。敷地の南側に落葉樹を植えれば、夏は日差しを遮り冬は落葉して日差しを家の中に取り込めます。敷地の北側に常緑樹を植えることで、夏は涼しい風を呼び込み、冬は北風を遮断します。
また、居室に近い中庭に緑があれば、四季折々の緑や花の美しさを、暮らしの中でより身近に感じられるでしょう。

コートハウスのメリットとデメリット

(1)メリット
周りの目を気にせずに中庭で日光浴をする、お茶を楽しむ等くつろぎの時間を過ごせることです。そして、都市部においての最大のメリットは、周りの環境に影響されないことです。
たとえ住宅が密集しているところでも家の中心に中庭を設けることで、そこから光や風を取り入れられるため開放的になります。
(2)デメリット
コートハウスのデメリットとして、外に開いた窓が少なくその上窓が小さいということがあります。そのため、開きが少なく大きさも小さい窓からどう採光するかが、インテリアを豊かにする大きなポイントです。
「ハイサイドライト」という天井に近い高い位置にある窓をつけることで、景観を気にせずに刻々と移りかわる日差しの表情が楽しめます。洗面所や階段などの小さなスペースにもハイサイドライトを取り入れてもいいでしょう。
高い位置の窓というと「天窓」が代表的ですが、コストが高いのが難点です。ハイサイドライトは、サッシ自体は通常の物が使えるので、コストがあまりアップしません。また、雨漏りなどの心配も減ります。

コートハウス設置の条件

(1)敷地の特性
光と風を中庭に効果的に呼び込むためには、敷地の特性を把握したうえで、建物と中庭の配置を決めることが重要です。間取りづくりを始める前に、建築家や営業担当者などと一緒に時間帯ごとの日当たりや通風の様子、眺望、敷地内の高低差の有無、周辺の建物の高さや密集度合等をチェックしておくとよいでしょう。
(2)中庭を中心にプランニング
コートハウスを設計するときは、まず中庭を中心にして、家のプランを考えていきます。中庭が採光や生活動線の中心になるのです。それが普通の庭との大きな違いです。外空間とふれあいを持ちたくなければ、コートハウスはおすすめできません。中庭が生活動線の一部にもなりますから、日差しや風雨等の気候を生活のなかで楽しめるかどうかが大切になります。
(3)都心での活用方法

  • (ア)建物の一部を凹ませる
    建物の一部を少し凹ませて背の高い木を植えるだけで、近隣との視線を遮りながら上からの光を取り入れられます。また、浴室などに面している場合は、隣家との目隠しの内側に「坪庭」を造ることもできます。そうすることで、遮蔽だけでなく景観を楽しむゆとりが生まれてきます。
  • (イ)隠れ家的な中庭
    カーポートで表通りの視線を遮りながらデッキを敷き緑を植えれば、お茶を楽しみながら会話できる気持ちの良い空間がつくることができます。また、この「庭」に面した部屋には、光と風を取り込むことも可能です。
  • (ウ)ベランダも庭に変身
    1階だけを「庭」とするのではなく、ベランダもやり方次第で「坪庭」になります。水はけの良い石や砂利を敷き、笹やイ草といった和の植物を設置すれば、見る人の背筋を伸ばすような日本伝統の風景が都市の喧騒を忘れさせてくれます。

家の中に庭があることで採光にもなり、箱庭感覚で楽しめる等ストレス発散につながりそうですね。
リフォームを考えておられる方は、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

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